記憶力がなくても覚えられる?ヒグビー7つの理論

アメリカの心理学者ケネス・ヒグビーは、記憶を脳に定着させるための7つの理論を提唱しています。
以下にその7つを紹介します。言われてみればそうだよね、というものが多いですが、意識することで記憶したいときに役立てることができるのではないでしょうか。

(1)有意味化
意味のあることは覚えやすい、無意味なものは覚えにくい、ということです。
例えば、「マルメロ」と覚えておいてください。と言われても、マ・ル・メ・ロね・・マルメロ・・・と脳内で繰り返して覚えるしかありませんが、忘れそうです。これが、「マルメロというフルーツがあります。見た目はかりんに似ていて、イランなどで取れますよ。」と言われれば、何となく、ただ言葉で言われるよりは覚えやすそうです。
覚えてください。「エーピーピーエルイー」一瞬、ん?と思いますが、appleね。とわかれば覚えられます。

(2)組織化
バラバラな情報や知識より、ルールにのっとってまとめたり、系統立てたほうが覚えやすい。
100この曲名を暗記してください。と言われたら、バッハ、ベートーベンなど、グループ分けしたほうが覚えやすいでしょう。歴史人物の名を覚えるなら、年号順で並べたほうが暗記しやすくなるはずです。国名でくくるのもいいでしょう。

(3)連想
まったく新しい知識より、すでに知っている知識と合わせたほうが覚えやすい。
例えば、同じ量、同じようなレベルの内容のプリントを勉強し、明日テストがあります。どちらのテストも同じ難易度で作られ、点数のみを見ます。アメリカについてとカーボベルデについて、どちらの国のことを勉強しますか?・・・あまり聞いたことのない国名、興味はそそられますが、テストが明日、となればたいていは今までの知識が多少通用しそうなアメリカのほうが入りやすいと感じるのではないでしょうか。
知っていることがあるほうが、新しい知識を脳にインプットしやすいのです。

(4)視覚化
文字情報でずらずら並べられたものより、図解など、視覚的なイメージとしてとらえたほうが覚えやすい。
人の脳は文字より映像で見たほうが記憶に残りやすいようにできています。
例えば、「リンゴ、コマ、かさ、みどり、40、はしご」を覚えなくてはならないとしましょう。このまま覚えるより、リンゴの帽子を被った40歳の男性が、緑色の傘の上にコマを回している、しかもはしごの上で!という映像を覚えたほうが記憶しやすくなります。

(5)注意
注意を向けた対象は覚えやすい。
テスト範囲だからこの20ページだけ覚えなければ、などと範囲を決めてそこに注意を向けると記憶できます。

(6)興味
興味のあること、好きなことは覚えやすい。
これは説明するまでもないですね。子供があれほどポケモンの名前や特性を覚えているのも好きだから、でしょう。

(7)フィードバック
復習すると覚えやすい。また、そのことについてほめられたり、評価を受けたりすると記憶に残りやすい。
単語は何度も書いて覚えますね。評価の面では、例えば美術の時間、先生から高評価を受けたなら、その時の作品を大人になっても覚えているでしょう。