目標設定の第一条件は

~ 子どもが勉強するきっかけ ~
『人』
A先生が教えれば子どもたちは夢中で勉強するようになるが、B先生に変わった途端に勉強が嫌いになり、成績も落ちていくということが往々にしてあります。数学ができる子は数字の問題の面白さを小学校のときに教えてくれた先生がいたり、英語が得意な子は英語で会話する楽しさを教えてくれた外国人がいたり。歴史の展開を面白おかしく話をしてくれた授業のおかげで日本史が得意になった子など、枚挙に暇がありません。誰と出会うかによって、好奇心の歯車が動くようになっていきます。

『雰囲気』
医者の家庭では医者が育ち、学者の家庭では学問に対する意識が高い子が育つ傾向があります。スポーツ選手の家庭ではスポーツの得意な子が育ち、芸能人の家庭では芸能人になる子が出てくることが少なくありません。
いつも思考することが当たり前の家庭では、考えることが好きな子どもが育ち、アウトドアが好きな家庭では、自然に対する意識の高い子ができます。要するに、小さい時から『自分も将来そうなる』という雰囲気があるのです。
そうなる『雰囲気』の中で育てば、意識せずとも自分は将来この道に行くのだなと思い育っていきます。強制されたものではなく、無意識のうちに形成された場の中に浸かることはとても重要です。

『子供を取り巻く環境を見直そう』
これらを勉強の場に応用すると、「たとえ勉強をしたくなくても、勉強をすることが当たり前の場に入れば、勉強するようになる」ということです。ここで確認しなければならないことは、家庭内が本当にやるべき事がやれる雰囲気になっているのかどうかということです。
親が「勉強しなさい」と言う一方で、親自身、長時間テレビを観ながらお菓子でも食べていたら、とても子どもは勉強する雰囲気にはなりません。また勉強しようと思っても、手の届くところにマンガやゲーム機が置いてあれば、意識拡散型の子はすぐに気が散りそちらへ気持ちが流れてしまいます。

~ 「目標設定の第1条件は『本気なのか』かどうか」 ~
『本気でない目標を設定しても達成することはありません』
目標は、なぜ達成されないまま終わるのか? 巷では目標設定をすることが大切であると言われます。確かに目標がなければ、実現する方向性と到達点がわからないため、十分に力を発揮できません。ですから、
① 目標は明確に設定するべきだ
② 目標を作ったら、やるべきことを細分化して、一つひとつをクリアしていけばよい
これは極めて正しいことです。しかしそれでも多くの目標は達成できないまま終わってしまうということはないでしょうか。なぜ達成されずに終わってしまうのでしょうか。
「努力が足りなかった」
「そもそも目標が高すぎた」
「到達するための方法(勉強方法など)がわからなかった」
などです。これらは理由として間違ってはいませんが、到達しない最も大きな理由は別にあるのです。
目標設定の第1条件は「本気なのか」ということです。日頃人と接していると「できれば……」という気持ちで目標設定している場合が少なくありません。これは、心の奥底で上手くいかなかったときの言い訳を事前に作っておくという意味があるのです。成功だとか失敗だとか、そのようなことを考えるのではなく、まずはただ『本気で行きたいのかどうか』ということなのです。この信念があるとないとでは大きな差が出てきます。目標はただ作ればいいというものではなく、『魂』が入っているかどうかが重要なのです。

~ 目標設定の第2条件は『目標は10%増しでちょうどいい』 ~
通常、目標設定をしても、なかなかそのラインに到達しません。しかし周りから見て、目標が達成できているように見える人がいます。そのような人たちは「目標到達のためには、その目標が途中経過になるように設定しなければならない」という原則を、意識・無意識を問わず適用しているのです。
人間は目標を作ると、どうしてもその目標という『天井』ができてしまうため、その範囲内で何とかしようと努力するので、その『天井』まで至ることができない場合が多いのです。
以上のように、目標設定では、『本気であるのか』という点と『目標は到達すべきラインの1歩先、2歩先で設定する』という2つの条件をクリアしていくと、目標到達の確率がかなり高まります。